「お腹が張るのは、ガスが多いせいじゃない?」 ― 意外と知られていないお腹の張りの正体|福岡県糟屋郡宇美町で胃カメラ|りょうこ内科・胃大腸内視鏡クリニック

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「お腹が張るのは、ガスが多いせいじゃない?」 ― 意外と知られていないお腹の張りの正体

「お腹が張るのは、ガスが多いせいじゃない?」 ― 意外と知られていないお腹の張りの正体|福岡県糟屋郡宇美町で胃カメラ|りょうこ内科・胃大腸内視鏡クリニック

2026年1月12日

お腹が張って困っています…
「お腹が張って苦しいです」
というご相談を、外来でよく受けます。
医学用語では「腹部膨満感」といいますが、その原因の一つに過敏性腸症候群(IBS)という病気があります(※ただし、症状によっては大腸がんなど別の病気が隠れていることもあります)。
では、お腹が張るというのは
健常な人と比べて、腸の中でガスがたくさん作られているということなのでしょうか?
もしそうであれば、ガスを抑える薬(いわゆる「ガスコン」)は有効なのでしょうか?
診療所で診療をしている医師として、気になったため調べてみました。

お腹が張る=腸内ガスが多い、は本当?
調べてみると、IBSの患者さんと健常な人で、消化管内のガス産生量を比較した研究がありました。
しかも、世界的に権威のある医学雑誌 「GUT」 に報告されています。
その結論は、
IBS患者さんの総ガス産生量は、健常者とほぼ同じ というものでした。
ではなぜ、IBSの患者さんはお腹の張りを強く感じるのでしょうか?

研究で示された原因とは
この点についても、研究の中で言及されています。
IBS患者さんが感じる膨満感や放屁回数の増加は、
ガスの量そのものではなく、
ガスの分布異常(腸の一部にガスがたまりやすい)
腸のガス排出運動の乱れ
内臓の知覚過敏(少しの刺激でも強く感じてしまう)
といった要因によって生じている可能性が高い、
と結論づけられていました。
(Gut. 2005 Jul;54(7):893–895. doi:10.1136/gut.2004.048868)

「ガスを減らす薬」は効くの?
実際、外来で
「ガスを減らすお薬はないんですか?」
と相談され、処方したことも過去にはありました。
しかし、使ってみてもほとんど効果がないことが多く、最近では処方していません。
医学的な研究から見ても、お腹の張りに対してガスを減らす薬は有効ではないと考えられます。
(※そもそもこの薬は、腸の造影検査時にガスを除ける目的で使われるもので、
日常的な腹部膨満感を改善するために作られた薬ではありません。)

では、どうすればいいのでしょうか?
治療や食事療法については、次のコラムで詳しくご紹介します。
興味のある方は、ぜひ続けてご覧ください。

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