映画『国宝』を観て思ったこと ― 消化器内科医のひとりごと|福岡県糟屋郡宇美町で胃カメラ|りょうこ内科・胃大腸内視鏡クリニック

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映画『国宝』を観て思ったこと ― 消化器内科医のひとりごと

映画『国宝』を観て思ったこと ― 消化器内科医のひとりごと|福岡県糟屋郡宇美町で胃カメラ|りょうこ内科・胃大腸内視鏡クリニック

2025年10月27日

映画『国宝』を観て思ったこと ― 消化器内科医のひとりごと


皆さん、映画『国宝』はもうご覧になりましたか?
主演の吉沢亮さんと横浜流星さんはもちろん、歌舞伎の舞台の美しさと、登場する人々の心に刺さるような生き様に圧倒される作品でした。
ただ、消化器内科医の私としては、少し違うところが気になってしまいました。
それは、喜久雄を育てた二代目花井半次郎が、襲名披露の舞台上で突然吐血し倒れる場面です。
映画の中では病名は語られませんでしたので、「いったい何が起こったんだろう?」と、職業柄どうしても考えてしまいました。
吐血の原因はさまざまです。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、Mallory-Weiss症候群など…。
でもあの描かれ方からすると、「食道静脈瘤の破裂」だったのではないかと想像(診断)しました。
食道静脈瘤は前ぶれが少なく、ある日突然大量の吐血を起こすことがある病気です。ですので、映画のストーリーに一番合致するのは食道静脈瘤だろう!とだいぶ確信を持って映画館をあとにしましたが、小説で確認をしますと、吐血の原因は「糖尿病と膵臓がん」と書かれていました。私の推察は外れということで、消化器内科医としてまだまだ勉強が必要なようです。

早めに受診していれば、変わっていたかもしれない
それにしても、もし花井半次郎が少しでも体の異変を感じて、検査を受けていたら…。
そう考えると、物語の結末もまた違っていたのかもしれません。
「ちょっと食欲がない」「胃が重たい」「黒っぽい便が出た」
そんな小さなサインが、実は大きな病気の前ぶれということもあります。
もちろん、多くの場合は深刻なものではありませんが、一度内視鏡検査で確認しておくことはとても大切です。

気軽に相談できるクリニックでありたい
当院では、胃・大腸の内視鏡検査を中心に、肝臓や膵臓などの疾患の検索のためCT精査も行っています。
「検査が怖い」「時間が取れない」そんな方にも安心して受けていただけるよう、できるだけ負担の少ない方法を心がけています。また、必要な検査を提示はいたしますが、患者さんの体の負担や希望に応じて、どのように検査を進めていくかじっくり話し合うよう心がけています。
気になる方は、きのせい、と自己判断せずぜひ一度受診をご検討ください。
 

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